アンテロープキャニオンの冒険コースを無事に終えた後はもう帰途に着こうかなとも思ったんですが、やっぱここまで来たら寄って行きたいのがホースシューベンド。

80歳の両親を連れた2泊3日の旅も最終日となり、朝っぱらから大冒険をし、更にこれから家に帰るまで4時間だかなんだかかかるという状況でちょっと悩んだけど、まぁ行くだけ行ってみようと言うことに。

到着してみたところ駐車場からの距離もそこまで長くなかったので、思い切って歩いて行くことにしたんですが・・・

いや、やっぱ来て良かったわ。

相変わらずすんごい絶景！

雲が多い日だったもんでそれが水面に映ってるのもステキ～。

あ、で、ここの入り口に看板があったもんで両親を前に立たせて写真を撮ったんですが、この雲の部分、めっちゃ不思議じゃありません？

後から見た時に

「あれ？この看板の空の部分って透明だったっけ？？？」

と思ってしまったくらいミョーに背後の空とマッチしてるし。

ま、よく見ると左上の角の部分は全然繋がってないので、やっぱ絵だよね・・・と納得ですが、でも他の部分は空の色も含めて完全に一致。

単なる偶然だけど何かちょっと面白い1枚でした。

というわけで、今度こそ帰途に着くことにしたんですが、何とそこでもまたドラマが待ってたんですよ。

うちの父は30年近く前に癌の手術をした時の後遺症で長いこと腸閉塞に苦しめられてたんですよね。

何年か前にその道の権威と言われてる先生の執刀で腸閉塞の手術もしたんですが、その先生をもってしても「完璧には剝がせなかった」という結果に終わりガッカリ。

でも、やっぱり手術の痕は前のように頻繁に腸閉塞にならなくなり、ここ6年ぐらいは入院せずに済んでるんですよ。

とは言え、いつ何時腸閉塞になるかわからない…ということには変わりないもんで、今回の旅行もそこが一番不安だったんですよね…。

だもんで、帰りの車の中で父がお腹が痛いと言い出した時には全員顔面蒼白！

最悪の場合は最寄りの救急病院へ行くしかないという状況なんですが、父はある意味「腸閉塞のプロ」と化してるので、今はまだダイジョブなのか、それとも救急病院に行くべきかの判断はつくはずなんですよ。

で、その父が

「とりあえず今はまだ大丈夫そう」

と言うもんで、後はもう超特急で家に帰るしかない！と気が急くものの、そんな時に限って道がやたら工事中。

ただでさえも夜道＆山道なのに三角コーン立ちまくりでスピードも出せず、父以外の3人まで冷や汗ダラダラ。

結局あと家まで50分ぐらいという地点で何が何でもトイレに行かねばという状況になったんだけど、とにかくまだまだ超田舎道過ぎて店なんてどこにもなく、ようやくレストランのサインが見つかったので

「もうどんな店でも良いからとにかく行くぞ！！」

と言うことで、何も考えずにとにかく店内に入り、父を大急ぎでトイレに行かせて、私達は父が出てくるまで遅い夕食を食べながら待つと言うことになったんですが…

「ごめんなさいね。実はもう営業時間じゃないの。」

って、ガガーン。もう閉店しとったんか～？！

ところがこのお店の皆さん、ホントにもう天使のような人達で、実は閉店時間を過ぎているということをようやく理解した私達が

「わー！すいません！！どうしよう…父は持病があって今ちょっと大変なもんで、ひょっとすると出てくるまでにものすごく時間がかかっちゃうかもしれないんです。何時頃までいて大丈夫ですか？」

と平謝りで尋ねたところ、

「大丈夫よ、お父さんが出てくるまでお店は閉めないから安心して！」

と言ってくれたどころか、

「もうレストランのレジは閉じちゃったので食べ物は注文してもらえないんだけど、でもクラムチャウダーがまだ残ってるから良かったら待っている間に食べて。」

とまで言ってくれて、不安に押しつぶされそうになってた母は感動のあまり泣いてしまい、周りもみんなもらい泣き。

何か良くわからんアジア人の家族が閉店後だってのにバタバタと店に入って来たっていう状況だってのに嫌な顔一つ見せないどころか、話を聞くや否や

「ダイジョブよ！心配しないで！」

と笑顔で即答してくれるその優しさ、暖かさ、大きさ…そりゃ泣けますわ。

あの時はホントにみんなして肝を冷やしたけど、でもこの一件のお陰で両親に「困ってる人には迷わず手を差し伸べる」というアメリカ人の懐の深さを知って貰うことができて、振り返ってみるとホントにホントにステキな思い出になりました。

ちなみにHwy 17沿いにあるRock Spring Cafeっていうレストランだったんですが、ここはフルーツのパイで有名な店らしいです。

アメリカには

「As Amerian as apple pie（アップルパイのようにアメリカ的）」

という言葉があって、「いかにもアメリカらしい」とか「典型的なアメリカ文化の象徴」みたいな意味で使われるんですが、このお店は文字通りAs American as apple pieなお店でした。

ギフトショップはまだ開いてたので、良くしていただいお礼にと買わせていただいたパイ（ピーチパイとアップルパイ）もめっちゃ美味しかったので、是非また旦那と一緒にゆっくり食事に来るとします。

後になってみれば全て良い思い出・・・