トモたちが、美術館に行く計画を立てていた。
期間限定で公開している著名な作品があり、それを観に行くのだという。
美術館。
そういえば、最近、行っていない。
美術館に行くと疲れを感じるようになってしまった。
その原因の一つは「目」だ。
コンタクトレンズを放棄し、裸眼で生活し始めてから、「観る」という動作に関して見る対象物との距離がとても取りにくくなってしまった。
美術館でいえば、例えば絵を見ようとするとき、ある一定の位置に立てばメガネが必要だが、そうでなければメガネを外す。解説を読むときは、メガネをはずす。つまり、立ち位置によって、メガネをかけたり外したりしなければならず、またそうしたところで、以前と同様な見え方をしないのだ。
これがとても面倒で、かつ疲れる。
実はこれ、美術館だけではない。
スーパーに買い物に行くときなんかも同様。
美術館に行ったときのそういう疲れを想像しただけではない。
彼女らが行こうとしている美術館への足は、在来線と新幹線を乗り継ぐ。集合は、朝6時台。もう、その時間を聞いただけで、全く行く気が失せた。
おまけに、行く日は100%の雨予想。
私は最近、土日は「寝ていたい」ばっかり。
それに、「普段と変わったことをしたくない」気持ちがすごく強い。
トモらは私とほぼ同じ年。
こんなことではだめだと思いはしたが、どうしても「私も行く」とは言う気になれなかった。
寝ていたい 朝が来ずとも 構わない
鞠子